【京都うまいものめぐり】
京阪の三条駅から徒歩数分、京都市役所のすぐ近くに、看板もなくひっそりとたたずむ店がある。「龍のひげ」。京料理をベースにフレンチの遊び心を取り入れた料理の数々は、見た目も味も存分に楽しめ、いつも多くの客でにぎわっている。雰囲気も抜群で、「私の隠れ家的存在。本当はあまり広めたくないのよ」という知人の言葉も納得の店だった。
繁華街から少し離れた通りにある「龍のひげ」の店構えもスタイリッシュ。内装はモノトーンで統一され、モダンな雰囲気が漂う。メニューはコースのみ。月替わりのコース(3500円)をお願いした。
おばんざいヒントに
まずは京料理ならではの八寸。湯葉や生麩(ふ)の京食材、旬の魚や野菜など色とりどりで、思わず顔がほころぶ。オレンジの皮が練り込まれたシュー生地の中には塩気のあるアンチョビが入っていたりと、随所にフレンチの要素がちりばめられている。
続いて出されたサラダにもサプライズが。にしんのムース(!)と筑前煮のゼリー寄せの間にナスの煮浸しが挟まれ、三者三様の味と食感が絶妙のハーモニーを醸し出す。