和食の特徴【拡大】
カレーライスが和食かどうかはともかく、食べ方には和食の伝統が色濃く残る。皿で混ぜ合わせず、ご飯の上にカレーを載せて食べるのは口中調味、ご飯の横に福神漬けなどを添えるのは一汁三菜の影響だ。
南北に長く、四季のある日本列島は田畑の収穫物、海や山の幸が豊富で多彩な郷土料理が育まれた。食事を通じた家族団欒(だんらん)の日常は明治以降の近代化で家族の数が減ってから見られるようになったが、次世代に引き継ぎたい伝統の一つ。和食の魅力を考える。
■減少する行事食の習慣
ユネスコへの提案書では、正月などの年中行事に、お節を囲み、食の時間を共有することで家族や地域の絆を強めていることも和食の特徴に挙げた。
しかし、生活スタイルの変化によって行事食も変化しているようだ。博報堂生活総合研究所「生活定点」調査によると、「お節料理を食べた」人は平成4年に86.6%いたが、24年には74.8%に低下、「七草がゆを食べた」人も33.9%から28%に減った。一方、「大みそかに年越しそばを食べた」は、77.1%から76.2%と微減だった。
和食に欠かせない主食のコメだが、コメ離れも進む。「コメを1日1度は食べなければ気が済まない」人の割合は71.4%から56.4%まで落ち込み、「和風の料理が好きな方だ」と答える人も12年の65.8%から24年は55.5%に減少。特に40代女性の落ち込みが大きく、73.6%から50.9%と大幅に減った。