久冨さんは面倒見の良い人で、長く商店街の会長も務めた。祭り、餅つきなどのイベントや商店街へのアーケード設置を中心となって企画するなど商店街の活性化に力を注いだ。
正義感が強く、「『商店街を守る』という意識も持っていた」。商店街絡みのいざこざで、こわもての人物が家に怒鳴り込んでくることもあったが、一歩も引かず、毅然と対応していたという。「当時は『そこまでやるのか』と思っていた」と苦笑いする。
花井さんは現役で東大に合格するなど学業面は優秀で、「父に『勉強しろ』といわれた記憶はない」。人生や進路について話したこともほとんどなかった。覚えている唯一のアドバイスは大学2年のとき、3年以降の専門課程で学ぶ内容について話した際のものだ。
「科学史を学びたい」と伝えると、「それでは食べていけないから、もう少し実学的なものをやった方がいい」。その言葉に従い、「世の中の役に立ち、社会に出て独り立ちできる」と考えて薬学部を選ぶと、今度は「それはいい」と賛成してくれた。