【江藤詩文の世界鉄道旅】番外編 女心と秋の空…の北欧版は“女心のようなオーロラ”?空の美魔女を追って北極圏へ (3/3ページ)

2014.2.1 18:00

空一面に輝く満点の星空とオーロラという最強の組み合わせ。数えきれないほどの流れ星。オリオン座が驚くほど低い位置に見えた

空一面に輝く満点の星空とオーロラという最強の組み合わせ。数えきれないほどの流れ星。オリオン座が驚くほど低い位置に見えた【拡大】

  • トロムソの町を覆ったオーロラ。北極圏の先住民族サーミはオーロラを不吉な兆候として恐れていたという。それも理解できるような凄味があった
  • トロムソの町とトロムソ湾を一望するストールシュタイネン山からの眺め。トロムソには世界最北の総合大学や世界最北のビール醸造所などがある
  • トロムソ空港で出迎えてくれたたおやかで控えめなオーロラ。飛行機とオーロラという北極圏の空港ならではの光景に出合えた
  • 冬の約2か月間は太陽が地平線から昇らない「ポーラーナイト(極夜)」だが、午前10時前から午後1時半ごろまではうっすらと明るく、その時間にさまざまな観光アクティビティがある。写真はヨーロッパ大陸最北の岬「ノールカップ」
  • 冬の約2か月間は太陽が地平線から昇らない「ポーラーナイト(極夜)」だが、午前10時前から午後1時半ごろまではうっすらと明るく、その時間にさまざまな観光アクティビティがある。写真はヨーロッパ大陸最北の岬「ノールカップ」

 つい気を抜いて、オーロラを見くびったのがいけなかったのだろうか。ふらふらと町を散策していると、オーロラは突然光を強めて頭上で爆発した。首が痛くなるような真上でぐるぐるととぐろを巻き、エメラルドグリーンの閃光がぱっと広がったかと思うと、その先端はピンクや白に色を変えていく。なんだかメデューサの髪のようだ。想像に背筋がぞっとしてオーロラに背中を向け、逃げても逃げても背後から迫ってくる。やさしい笑顔から一転、冷たい怒りが炸裂したのかもしれない。

 少女のようにいたずらっぽいキュートさを見せてくれたのは、帰国便の機窓だ。ヘルシンキを出発して2時間ほどすると、オーロラが姿を現した。まるでふざけて追いかけっこをするように、飛行機の前に回ったり遠ざかったり。水平視点から見た一風変わったオーロラの残像が、いまも目に残る。

 “オーロラは女性のように気まぐれ”なんて、女性のひとりとして承服しかねる。そう思っていたけれど、振り返れば、猫の目のようにくるくる表情を変える、自由気ままな彼女=オーロラに、毎晩すっかり振り回されたのだった。

■取材協力:フィンエアースカンジナビア政府観光局

■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。

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