集団食中毒の発生で学校給食が中止されたため、弁当を食べる浜松市の小学校の児童たち。「お弁当の方が良い」との声も上がった【拡大】
「手で触ると汚染される可能性があるので、基本は手で触らないこと。大量生産のパンの場合、通常は製造から包装まで人の手を介さないシステムになっている」(同工業会)
人の手は1番の「汚染源」。食の安全を考えれば、食品の汚染を防ぐためにはなるべく人が触らないのが大原則だ。浜松市生活衛生課の担当者は「給食には保護者からいろいろな意見が寄せられることもあり、異物混入に神経質になるのは仕方ない面もある。ただ、食の安全のためには食中毒を出さないための対策を優先させることが大事だ。個人的な考えだが、パン1枚ずつの検品は過剰な対応で、やめてもらいたい」と話している。
健康影響なくてもクレーム
学校給食では、さまざまな異物混入が報告されている。昨年9月には岐阜県可児(かに)市で給食パンにコバエが付着、除いて食べるよう指導したことが市議会で問題となった。異物の多くは誤って食べても健康への影響がないものだが、保護者からクレームが寄せられることも多く、どう対応するかは学校にとって悩ましい問題になっている。
文部科学省は給食の異物混入を防ぐため、納品時の検品徹底と、給食時にパンは一口大にちぎって食べる▽袋入り食品は穴が開いてないか確認▽丸飲みしない-などを呼び掛けている。