ちなみに仕事や交渉を拒絶するボイコットの語源は、やはりアイルランド人。農民たちが英国人農園主のボイコット(Boycott)氏を無視したことに由来する。
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最近ではストライキもめっきり少なくなった。バブル崩壊による不況と労働需給緩和、新興国台頭による国際競争激化、デフレによる実質賃上げ効果。いくつかの要因が相まって、ストライキのみならずベアという概念も徐々に希薄化した。
そもそもベアに期待された制度的機能は2つ。一つはインフレに対する生活水準(実質賃金水準)維持機能。つまり、毎年の物価上昇分をベアでカバーしないと、インフレ下では実質賃下げになるからだ。
もう一つは、生産性向上に対する調整機能。戦後から1980年代までは生産性向上が持続していたことから、ベアでその点をどの程度評価するかが毎年の春闘の論点だった。
さて、2%のインフレを目指している政府・日銀。その観点からはベア復活は当然の帰結。生活水準維持のために適切なベアを行わなければ、結局消費が減退し、景気後退、企業収益悪化の悪循環。
インフレ実現(デフレ脱却)のための政策手段として異次元金融緩和を強行している政府・日銀。だからこそ、円安が進み、輸出企業の業績改善、株価上昇につながっている。
円安に伴う輸入物価上昇を背景に、すでに家計は食料品やガソリン価格を通じて生活への影響を実感。4月からの消費税率引き上げも体感物価を引き上げる。
政府・日銀が2%のインフレを目指し、それに加えて消費税率引き上げ。ベアの目標は「2%プラスアルファ」が当然だが、実際の動きはやや抑制的な感じである。