アクリフーズが昨年12月30日、新聞に出した回収に関する社告。対象商品は「アクリフーズ群馬工場」と記載されている商品としていた【拡大】
消費者庁の食品表示一元化検討会で委員を務めた「食のコミュニケーション円卓会議」代表の市川まりこさんは「これまでは、問い合わせれば製造者が分かるなら製造所固有記号でも十分だと思っていた。今回の事件で、自分の手元にある商品が回収対象かどうかを知るために製造者名や住所の表示は必要と思うようになった。手にした商品の表示で確認できる方が安心できる」と指摘する。
製造者名の記載がないことが「回収遅れにつながった」などの指摘があり、森雅子・消費者行政担当相は先月、製造者名の表示について現行制度の見直しを検討する考えを示した。これを受け、食品表示法施行に向けて表示の基準作りを進めている同庁は、製造者名表示の是非について改めて検討するという。
回収どう伝える
ただ、製造者名のない商品の販売責任は商品に表示された販売者にある。このため、何か問題が起こったときは販売者が責任を持って商品を回収するのが基本だ。しかし今回、販売者によって回収対応に違いが見られた。