田部井淳子さん【拡大】
手術とその後の抗がん剤治療を終え、12月には寛解と言われました。でも、抗がん剤の副作用で出たしびれは今も残っています。手足が常にしびれている感じで、太ももやひざの裏もだるい。お札を数えたり、ボタンをはめたりするのが難しい。なんか変な感じなんですよ。包丁も危なくて持てないので料理ができない。少しずつは良くなっていますが、治療前と同じというわけにはいかないですね。
体質も変わったみたいで、すごく寒さを感じるようになりました。体を極力冷やさないようにして、風邪をひかないように、絶対無理はしない。夜遅い食事はしないようにして、パーティーに出ても早く切り上げ、生活のリズムを狂わせないようにしています。睡眠が一番大事なので、眠れないときは睡眠剤も利用しています。
また、17年前にさまざまな職業の女性たちで山歩きを楽しむ会を結成したのがきっかけで、11年前にシャンソンを習い始めました。交流のあるメンバーで一緒に歌っていたのですが、そのうち、「コンサートをしよう」ということになり、年に数回、コンサートを開いて歌う活動もしています。ボイストレーニングをしたり、歌の先生の所に通ったりと、山登りとは別の楽しみがある。今、病気で治療中の方も、自分なりにわくわくどきどきするものを見つけるといいと思う。