このロボットは、筋肉の動きに合わせて流れる電流を感知して作動し、硬くなった股関節の動きを助け、大きく足を上げられるようにする。同センターでは全国で初めて歩行支援のロボットを使い、効果を挙げている。これまで25人に行った結果では、3分間の歩行距離が手術前の平均140メートルから手術後1週間で同160メートルにまで改善した。
同センターでは今月から、大阪大学などで開発された、患者の膝関節のCGデータを基に3Dプリンターで手術のガイド器具を作製する手法も使っている。この器具は、個々の患者の骨にぴったりはまって切除する場所を示す切り込みが入っているため、格段に精度が高まり、手術時間も短縮できるという。
薮野センター長は「人工関節の置換は外科手術のため、不安に思う人が多い。しかし、重症患者の社会復帰に向けての治療効果は大きく、これからも最新の技術を取り入れ、安心、安全の手術を目指していきたい」と話している。