マニアックな音楽も数多く取り上げてきた。例えば、黛さんが米国の作曲家、ジョン・ケージを招いた「現代音楽特集」や、パターン化された音を反復させる「ミニマル・ミュージック特集」、世界各地の「民族音楽特集」。今年4月には「あまちゃん」の音楽を担当した大友良英さんを招いて「ノイズミュージック特集」を行うなど、音楽の多様さを紹介する試みを行ってきた。
高嶋さんは「黛さんが番組で訴えたかったのは、『音楽は楽しいものだ』ということ。そのDNAは今も番組に受け継がれている」と評価する。
黛さん、羽田さんの死去に伴う司会の交代など、50年の間には苦難の時期もあった。鬼久保プロデューサーは「表面的な楽しさではなく、本質的な音楽の楽しさを追求するという番組の根幹はこれからも変わらない。今後も視聴者が楽器や合唱を始めるきっかけになったり、そこから『次世代の音楽家』が出てくれたらうれしいですね」と話している。