MCIの人は、手順を踏んで複雑な課題をやり遂げる「実行機能」が低下する。有酸素運動はこの改善に効果がある。一方、記憶機能の改善には、認知トレーニングが効果がある。「運動(エクササイズ)をしながら認知(コグニション)のトレーニングをする『コグニサイズ』が、将来の認知症抑制に寄与すると考えられる」(島田部長)
付録のラダーは過去の研究成果から開発された。パーツをつなぎ替え、より複雑な運動もできる。脳が活性化するのは動作に迷ったり、止まったりしたとき。運動パターンに慣れて、スムーズにできるようになると脳に負荷がかからず、効果がないためだ。
島田部長は「単純だけど、やってみると意外とできない。それが楽しい。安価で購入でき、屋内でもできる。皆さんが持ち寄ってつなげて使うこともできるので、公民館や体操教室などで使ってもらえるといい」と話す。
注意点はラダーに足を取られないようにすること。書籍としての制約があり、重い素材にできなかった。「つまずかないよう複数で楽しみながらやってほしい」という。