「限界を作るのも破るのも自分」と話す演出家の中村龍史さん=東京都港区(野村成次撮影)【拡大】
■一日を大事に生きよう 限界破るのも自分自身
マッスルミュージカルなどを生みだした演出家、中村龍史さんは25歳のとき、遺伝性の難病、多発性嚢胞腎(のうほうじん)と診断された。引き締まった体に鋭い眼光、精悍(せいかん)な体つきからは想像もつかないが、腎機能が低下し、人工透析を開始して既に16年。「病気ごときで自分の人生を捨てたくない」。残った四臓六腑をフル回転させながら強い使命感で演劇界に新風を吹き込み続ける。(文 村島有紀)
腎移植をしない限り、人工透析は一生続きます。だから先のことは考えない。朝起きたときに思うのは「今日一日を大事に生きよう」。健常者だっていつ事故に遭うか分からないし、明日は誰でも不確実。条件は同じですよ。
母は私が10歳のときに腎臓病で亡くなり、父は僕が23歳の頃に人工透析を始め、その5、6年後に亡くなりました。姉も30代で透析を始め、昨年、亡くなった。叔母も伯父も腎臓が悪かった。「これはおかしい」と思って調べてみたら多発性嚢胞腎という遺伝性の腎臓病だったんです。