平成16(2004)年、こうした活動を視察したミャンマー保健省幹部らは、その場で導入を決意。日本が貧しく、お産が家庭で行われた時代のエピソードも幹部らの背中を押した。冷蔵庫が普及しておらず、開業助産師が池の氷を割って産婦の出血を止めた話を、高齢の元保健師から聞き涙を流した。
このときの印象を同町の保健師、中橋和子さん(52)は「医療が届いていなかったころからの経緯が、ミャンマーでゼロから立ち上げるヒントになった」と語る。
途上国の力に
ミャンマーでは軍事政権下で保健医療サービスの整備が滞り、乳幼児や妊産婦の死亡率が東南アジア平均より高い。安全なお産を目指し、2006年、保健省と日本の援助団体、ジョイセフが東部の一部地域に母推さんを導入。10年から保健省が全国展開を進め、30世帯当たり1人の母推さんが各地で養成された。