梶田さんは「重い人を持ち上げる力は以前より格段に少なくて済む。天井しか見る物がない要介護者にとって、入浴はリラックスする最後の楽しみだと思う」と話す。
今月初旬、東京ビッグサイトで開かれた「国際福祉機器展」。マッスルスーツのデモンストレーションを、見学者が三重四重に囲んだ。
だが、こんな声もある。福祉技術研究所の市川洌(きよし)さんは「介護する人の腰痛防止は切実な問題。介護者宅での訪問入浴は制約条件が多く、介護ロボットは一つの選択肢だろう。だが、施設での移乗介助なら、介護リフトの方が負担軽減効果は高い。まずはリフトの普及が優先では」。
腰痛対策としては介護リフトが確実。だが、福祉施設では普及が進まない。訪問入浴のように利用困難なシーンもある。小林教授も「ニッチ(隙間)な市場。だが、企業は労働環境改善という課題を常に考えている。必要な場所はある」とする。一方で福祉施設の労働環境改善の意欲には懐疑的だ。
機器の普及には、現場の意識改革も不可欠。梶田さんは「腰痛のないスタッフは使わずに済まそうとする。新しいものを受け入れる現場の勇気もいる」と話している。