冬が近づき、インフルエンザなどの予防に、手洗いの重要性が増してくる季節だ。だが手を洗いすぎると皮膚が荒れてくる可能性もある。単なる手荒れと侮るなかれ。手荒れは正式には「進行性指掌角皮(ししょうかくひ)症」と呼ばれる病気で、重症化すると、かゆみや痛みで寝られなくなることもあるから要注意だ。(兼松康)
初期に治療を
「手荒れを放っておいたら、どんどんひどくなってしまって…」
寒さが増し、手荒れで皮膚科を受診する患者が出てくる時期だ。
横浜市神奈川区にある野村皮膚科医院の野村有子院長は、「冬は空気が乾燥し、手荒れがひどくなりやすい時期」と説明する。
寒くて手指の血流が悪くなるほか、乾燥により皮膚の水分が奪われやすいことがその理由だ。水をよく使う仕事や布、紙をよく触る仕事に従事する人は、さらに水分が奪われやすい。
一般に皮膚の水分量は、皮脂や天然保湿因子、角質細胞間脂質の3つにより、一定に保たれている。このバランスが崩れ、指先に軽い角化や乾燥が見られると手荒れの始まりだ。指から手のひらに拡大し、さらに進行すると赤みやかゆみを伴い、小さな水ぶくれ、ひび割れが出る。