溝のひとつは意識の違いだ。女子学生は正社員としてできるだけ長く働きたいと思って就職活動をしている。彼女たちの多くは小学生から徹底した男女平等教育を受けており、男性と同じように働くことがあたりまえだと思っている。だが、企業のなかには「女子は何年か働いたら辞めてしまう」と考えるシニア層が少なくない。実際、20代後半から30代の女性の離職率は男性より高いのが現状だ。
就活に臨む女子学生の身だしなみの認識でもギャップがある。いまは女性もパンツスーツがあたりまえなので、就活でも着用する女子学生がいる。親や大学の就職指導窓口に聞いてもとくに反対されないからだ。しかし採用側は「なぜスカートで来ないのかな」と思う。そして「こんなことは聞けない」と遠慮して学生に伝えず、黙って落としてしまう。
山口さんは「女子学生も企業も就活にふさわしいマナーや服装がわからなくなってきているのではないか」と考えた。そこで2012年9月から「女性経営者から見て、これが常識。この通りにやっていれば間違いはない」というハウツーを『就活女子のための就活必勝塾』と題して交流サイト「フェイスブック」で立ち上げたところ、「いいね!」と登録した人の数が約4万件、アクセスも1日の表示回数が11万件、月間では同330万を越える人気で、今年9月には書籍の出版も実現した。