通常の加熱食肉製品の規格基準は「63度で30分以上」と定められている。これまで飲食店に対して、これと同等以上の加熱条件として「75度で1分」加熱するように注意喚起が行われてきた。10月に開催された食安委の専門調査会では、飲食店提供の豚の肉・レバーについてもこの規格基準とするかどうかが話し合われたが、結論が出なかった。食安委は年内にも2回目の調査会を開き、早急に規格基準を決めたい考えだ。
■ジビエ、鶏肉にも生食リスク
生食で食中毒リスクがあるものは豚肉以外にも多い。
新たなグルメとして注目されるジビエ(野生鳥獣)のうち、鹿やイノシシはE型肝炎ウイルスに感染している可能性があり、イノシシを食べた人の中で死亡者も出ている。鶏肉はサルモネラ属菌やカンピロバクターなどの細菌汚染があり、生食によって毎年、食中毒が報告されている。子供や高齢者、糖尿病など基礎疾患がある場合は重篤化する可能性もあるので注意が必要だ。