初診日を特定する書類が見つからない場合、年金事務所は「参考資料」の提出を求める。身体障害者手帳、手帳申請時の診断書、事業所の健康診断の記録、お薬手帳や糖尿病手帳など。「材料になるものを少しでも収集し、支給に結びつくよう対応させてもらっている」(同)
悩ましいのは、初診日が特定できない人に「本当に書類がない人」と「初診日を別の日にすれば障害年金を受け取れる人」が混じること。
現場も板挟みだ。窓口業務に詳しいある関係者は「繰り返し未納の期間がある場合は初診日を特定できないと、保険料の納付要件を満たしたかどうかが分からない。推測で年金を出すわけにはいかない。結果的に支給できず、被保険者を泣かせている部分はある。困っています」ともらす。
初診日をめぐる訴えが起きる背景には、疾病構造の変化や医療技術の進歩がある。比較的良い状態で過ごせる期間が延びる一方、障害状態になると、大昔の書類提出を求められる。未納にした人に年金を出さないことには理解が得られるだろう。だが、障害のある人に古い書類探しを求めるのは現実的なのか。運用の妥当性が問われそうだ。
NPO法人「障害年金支援ネットワーク」は、障害年金に関する相談に応じている。フリーダイヤル0120・956・119。平日午前10時~午後4時(正午~午後1時は除く)。12月27日~来年1月4日は休み。