【書評倶楽部】古美術鑑定家・中島誠之助 『飼育係はきょうもフィールドへ』 (2/3ページ)

2014.12.27 12:00

中島誠之助さん

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  • 「飼育係はきょうもフィールドへ」

 それは生物教室に水槽を並べて命の尊さと不思議さを教え、短パン一つになって野球やソフトボールに夢中になった日々が、いかに生徒たちの人生に輝きを与えたかを物語っている。この本は全国の中学高校の生物部の課外読本として推すことができるほどの深い示唆に富んでいる。

 姫路市の小中学生が水族館を見学し、ウミガメの甲羅をたわしでごしごし洗っている写真が載っている。その表情のなんという明るさだろうか。ここに教育の原点がある。

 国の特別天然記念物であるオオサンショウウオの生態調査に人生を捧(ささ)げて、兵庫県朝来市生野町の廃校に移り住む。やがて研究所を訪ねる人々で、過疎の里に脚光が当たる。

 ケータイもパソコンもない暮らしの中から、絶滅危惧種のウナギを案じ、野生動物を守るためのワシントン条約の行方を見続ける。

生きている化石と呼ばれるオオサンショウウオ

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