「スタート当初から、代金回収率は95%ほどを保っています」と、同社グループ広報部の吉村貴宏さん。
オフィスで販売するアイデアは、少子化の影響でお菓子の需要が停滞する中、生まれた。
「小腹がすいた」「ちょっと気分を変えたい」「あと一頑張り」-。仕事の合間のそんな場面で、お菓子は役に立つと考え、郊外にある無人の野菜スタンドからヒントを得て、置き薬方式の販売にたどりついた。
最近見られる職場の変化も、需要拡大につながっている。減少傾向の社内の飲み会に代わって、上司が人数分の代金を入れ、「好きなお菓子を取って」とおごったり、分煙化が進んで喫煙がままならなくなり、口寂しさからお菓子に手が伸びたり。さらに、省エネ意識の高まりから、夏場の冷房の設定温度が高めになったため、アイスが記録的な売り上げに。
「利用者の7割が男性。お菓子をあまり食べなかった30代、40代の男性の掘り起こしに成功しました。一方で、東日本大震災以降は、災害時の備えとしても見直されています」