【早坂礼子の経済ウォッチング】
バターの品薄が続いている。昨年秋ごろから顕在化し、農水省は緊急輸入やメーカーへの増産要請をしたが、年が改まってもスーパーの棚にバターの姿は少なく、不安定な状況はしばらく続く見通しだ。背景にある日本の輸入政策の構造問題について、関係者に取材した。
不足の元凶は生乳不足
2月上旬の大手スーパー食品売り場。黄色いバターの箱がまばらに置かれた棚に店からの断り書きが貼られていた。「原材料不足でバターの入荷が未定です。予約販売や取り置きは一切お受けできません」。店員は「メーカーに聞いても、いつになるかわかりませんと言われるんです」とすまなそうに話した。
数が少ないだけではない。大手メーカーのナショナルブランド(NB)450グラムの値段は、バター不足が表面化する前より明らかに上がっており、比較的安価なプライベートブランド(PB)はバターの箱はひと回り小さくして、容量を減らしている。