ただ、バターの保管には倉庫や冷蔵用の電気代などがかかり、品薄と聞けば先高感も手伝って在庫量を増やすのが常だ。品不足に業界関係者が踊った結果が、いまのバターの小売価格に反映されている側面もあるようだ。
もちろん国も手をこまねいていたわけではない。バターは国産だけでなく、国が貿易量を管理する国家貿易品目でもあり、足りない場合は農水相の承認を得て追加輸入ができる。実際、国は今年3月末までに合計1万3000トンの緊急輸入を決定。昨年11月には乳業各社に増産要請もした。
さらに2015年度は業者の予見性を高めるため、これまで需給への影響を懸念して未公表だった輸入スケジュールを明確化し、「今後は」1月、5月、9月に輸入の判断を行うと発表。25キログラムの業務用(パラバター)だけでなく1~5キログラムの小さいサイズのバター(ポンドバター)も輸入して街の洋菓子店用のバターも確保したいという。