窓口にいたアフロアメリカンのショーンが、構内の見取り図を手渡しながらこう言った。「この駅には、ぼくが特に気に入っている美しい見どころが5カ所あるから、探してみてください」
ショーンのヒントは「巨大なフルーツ」「5番街の宝石店」「反対の星座」「逆さまの木」そして「輸送を守る神々」。
まるで映画にでもなりそうな、ドラマチックなワードをノートに書き留め、メインホールにゆっくりと歩き出す。2月のニューヨーク。駅の外は痛いくらいの冷気が立ち込めているが、構内は温かい光が溢れ、ほんわかと暖かい。
ショーンのヒントに対するすべての回答が、ここに掲載した写真だ。最後に、わたしが見つけた「もっとも美しいもの」を収めたとっておきの1枚を、ショーンに見せる。
「あぁ、確かにこれは美しい。負けましたよ。あなたの勝ちですね」。ショーンは笑顔でそう言った。
■取材協力:デルタ航空
■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。ブログはこちら