大腸がんになると、便に血が混じっていたり便秘になったりするほか腹痛などの症状が表れるが、初期にはほとんど自覚症状が出ない。また、肛門から離れた場所にがんができると、症状が表れづらい。「症状が表れた頃には、がんが進行してしまっていることが多い」と上野医師は話す。
遅い進行
大腸がんの診断には、内視鏡を入れて大腸内を観察する「内視鏡検査」が行われる。がんと疑われたら、病変の一部を採取し、病理検査で組織を調べる。
進行度はステージIからIVまでの4段階あり、がんが大腸の壁に入り込んでいる程度とリンパ節や肝臓などほかの臓器への転移などから判断する。
自覚症状が出るのは、ステージII以降がほとんど。転移する場合は肝臓や肺へが多いが、大腸がんは進行が遅く、早期から転移が進むことはないという。このため、「早期に発見できればほとんどの場合、治癒が期待できる」。