「サバジェンヌ」として各地のサバを取材している池田さんによると、平成25年にサバ缶がダイエットにいいとテレビで紹介されたのがきっかけでブームとなり、みそ煮定食など男性好みの印象の強かったサバ食が女性に定着。福井県小浜市の「鯖おでん」や青森県八戸市の「サバめしコロッケ」などサバをまちおこしに生かす地域も増えているという。最近は焼いたサバをパンにはさむトルコのサバサンドが、日本流にアレンジされて流行している。池田さんは「魚食離れが進んでいるが、肉と置き換えて調理できるサバ缶は取り入れやすいようだ」と話している。
■西はサバ、東はサバ缶 レシピサイトの地域別検索頻度
レシピ投稿・検索サイト運営、クックパッド(東京都渋谷区)によると、「サバ缶」と「サバ」の地域別検索頻度(平成25年)は、「サバ缶」は西日本より東日本の方が高く、「サバ」は逆に西日本の方が高かった。同社では「サバは下関(山口県)や青森が有名で、脂の乗りやすい青森のサバはサバ缶、下関のサバはそのまま食べることが多いといわれている。生産事情が食卓の関心事にも反映された」と分析する。
データは、「食」の注目キーワードなどが分かる同社の食品関係業者向け検索データサービス「たべみる」の分析結果。今月から県別データの提供を開始した。特徴的なデータが出たのはサバ缶の消費量が多い県として知られる長野県だ。タケノコと一緒にみそ汁の具にする家庭が多く、「サバ缶」と「筍(タケノコ)」が組み合わせて検索される頻度が高かった。