価格破壊…中国産に押されぎみの南高梅 「世界農業遺産」目指し反転攻勢 (2/5ページ)

2015.7.25 17:13

店頭に並ぶ青梅をチェックするFAOの調査員ら=平成27年5月、和歌山県田辺市

店頭に並ぶ青梅をチェックするFAOの調査員ら=平成27年5月、和歌山県田辺市【拡大】

  • 手作業で青梅を収穫する農家=和歌山県みなべ町
  • 大きな梅の木では、農家の人たちが長い脚立を使って収穫していた
  • 収穫した梅の実をケースに移す農家
  • 和歌山のウメの歴史や文化を伝える「みなべ町うめ振興館」。館内ではジオラマなどを用いてウメの生産方法などを説明する

 町内を車で回れば、青梅が入ったケースを満載した軽トラックと何台もすれ違う。側溝にはこぼれた梅があちこちに転がり、ほのかに甘い香りに包まれた。

 梅の一大産地として知られる和歌山県の収穫量は年間約7万トン。全国の収穫量の6割を占める。みなべ町だけで約2万トンもの収穫があり、全国の約17%と高いシェアを誇っている。

 みなべ町を筆頭に、隣接する田辺市など県南部で梅栽培が行われたのは江戸時代にまでさかのぼる。

 「文献などによると、この地区はもともと傾斜地が多く、土壌も養分が少なかった。米が育ちにくく、農家は貧しい状態が続いたようです」と県農林水産総務課の担当者は話す。

 何とか稼ぎになる特産物を作ろうと、地元領主や農民らが注目したのが傾斜地でも育つ梅だった。やがて、この梅を用いた梅干しが江戸で人気となり、ついには『紀伊田辺産』として樽詰めで送られるまでになったという。

 梅酒ブーム、健康ブームで一大ブランドに

 こうした伝統をもとにして生まれたのが「南高梅」だ。

昭和25年、高品質の梅を安定して生産できる品種を育成するため…

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