こうした環境と共生する栽培方法は「みなべ・田辺の梅システム」と名付けられ、「世界農業遺産」の国内候補にも選ばれた。5月にはFAOの調査員3人が現地を訪れている。
これまでは「能登の里山里海」(石川県)▽「トキと共生する佐渡の里山」(新潟県)▽「阿蘇草原の持続的農業」(熊本県)▽「静岡の伝統的な茶草場農法」(静岡県)▽「国東半島・宇佐の農林水産循環システム」(大分県)-の5件が登録されており、関西では初登録を目指している。
こうした活動を通じて視野に入れているのは、欧米を含めた販路拡大だ。和歌山県は6月、香港の百貨店で青梅フェアを開催。香港大学でのイベントにも参加し、梅酒の試飲会を行った。同課の担当者は「アジア圏では梅との親和性が高く、欧米でもヘルシー志向から梅への関心が高まっている。このチャンスを生かして国外にも消費者を増やしたい」と意気込んでいる。