価格破壊…中国産に押されぎみの南高梅 「世界農業遺産」目指し反転攻勢 (4/5ページ)

2015.7.25 17:13

店頭に並ぶ青梅をチェックするFAOの調査員ら=平成27年5月、和歌山県田辺市

店頭に並ぶ青梅をチェックするFAOの調査員ら=平成27年5月、和歌山県田辺市【拡大】

  • 手作業で青梅を収穫する農家=和歌山県みなべ町
  • 大きな梅の木では、農家の人たちが長い脚立を使って収穫していた
  • 収穫した梅の実をケースに移す農家
  • 和歌山のウメの歴史や文化を伝える「みなべ町うめ振興館」。館内ではジオラマなどを用いてウメの生産方法などを説明する

 その一方で、平成12年に約3650戸だった農家は22年には約3300戸まで減少。農業就業者も65歳以上が43%を占めるなど高齢化が進んでいる。また、日本人の洋食化が進み、梅干し1世帯あたりの購入数や購入金額が下落傾向にあることも暗い影を落としている。

 そんななかで、田辺・みなべ地区の梅生産農家が力を入れているのが、400年にわたって受け継がれてきた環境に配慮した栽培方法で安心・安全な高品質の梅を作ること。

 養分に乏しい土壌の急傾斜を活用し、周辺に林を残しながら高品質の梅を生産する地域特有の農法で、同課担当者は「尾根に林を残すことで斜面の崩落防止機能を設けたり、梅林に草を生やして土の乾燥を防いだりと、至る所に工夫がされています」と胸を張る。

 他にも、尾根の林周辺にはミツバチを生息させて、梅の蜜を与える代わりに受粉の手助けをしてもらう相互関係を作った。林に生えるウバメガシなどの樹木は斜面崩落を防ぐとともに紀州備長炭の原木として活用されるようになった。

こうした環境と共生する栽培方法は「みなべ・田辺の梅システム」と名付けられ…

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