価格破壊…中国産に押されぎみの南高梅 「世界農業遺産」目指し反転攻勢 (3/5ページ)

2015.7.25 17:13

店頭に並ぶ青梅をチェックするFAOの調査員ら=平成27年5月、和歌山県田辺市

店頭に並ぶ青梅をチェックするFAOの調査員ら=平成27年5月、和歌山県田辺市【拡大】

  • 手作業で青梅を収穫する農家=和歌山県みなべ町
  • 大きな梅の木では、農家の人たちが長い脚立を使って収穫していた
  • 収穫した梅の実をケースに移す農家
  • 和歌山のウメの歴史や文化を伝える「みなべ町うめ振興館」。館内ではジオラマなどを用いてウメの生産方法などを説明する

 昭和25年、高品質の梅を安定して生産できる品種を育成するため、みなべ地域で組織された品種選定委員会が、地元・南部高校園芸科の生徒らと協力。5年かけて品種選抜を行った結果、皮が柔らかくて果肉が厚い「高田梅」が選ばれた。選抜にかかわった南部高校にちなんで「南高梅」と命名され、40年には農林省に名称登録された。

 その後、酒税法改正に伴う梅酒用の青梅や健康ブームによる梅干しが注目されたことなどにより、梅の需要が急激に拡大。「南高梅」は全国有数の一大ブランドとなり、和歌山県の梅産業は県内の産業全体に影響を及ぼすまでになった。

 みなべ町は名称登録から50年を記念した式典を開催したり、東京などの首都圏に梅干しの試食コーナーを設けたりして、さらなる梅の消費拡大を精力的に進めているが、さまざまな課題にも直面している。

 中でも、中国産梅干しとの競争は最大の課題だ。実は、中国や台湾などから輸入するようになったのは、昭和37年に国内産梅が凶作になったことがきっかけ。それが最近では、低価格の中国産梅干しの輸入が増えており、価格競争も激化している。

その一方で、平成12年に約3650戸だった農家は…

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