そういえば、かつてドイツで出合ったドイツ人の鉄道マニアも「鉄道というのは、時刻表を読むのに数学的センス、路線を組み立てるのに地理の素養、その他機械工学や歴史といった、幅広い知的エクササイズを求められる紳士の高尚な趣味」だと主張していたっけ…。
「経路を決めるには、まず乗車の目的とハイライトとなる列車を選ぶこと」というアドバイスに従い、乗車の目的は「接続時間を短くして、できる限り長い時間乗車すること」、旅のハイライトは「特別快速館山行き」とした。この列車は今年の春のダイヤ改正で登場したもので、特別快速だが普通運賃で乗車できる。また、東京の「大都市近郊区間」の範囲が広がったことで、“大回り乗車”で房総半島を周遊できるようになったそうだ。夏の房総か。きっと海がきれいだろう。
いよいよ出発。東京駅を発ち、私たちは一路館山を目指した。
■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。ブログはこちら