【江藤詩文の世界鉄道旅・夏休み特別企画】1都6県をたった140円でぐるり(3)車窓から(だけ)楽しむ海と里山のパノラマビュー (2/2ページ)

2015.8.23 18:00

どこまでも続く青い空と青い海。オーシャンビューを満喫できる内房線の車窓

どこまでも続く青い空と青い海。オーシャンビューを満喫できる内房線の車窓【拡大】

  • 車内には「マザー牧場」や「鴨川シーワールド」など、房総が誇る観光名所のポスターが掲示されていた
  • 今回乗車したなかで、私好みの路線ベスト3に入る「成田線各停我孫子行き」。最前部からの眺めは格別だ
  • はじめて乗車した「水戸線」は、成田線に勝るとも劣らない車窓風景を楽しめるが、ベンチシートなのが残念!
  • 何から何まで好みだった「両毛線各停高崎行き」。全体に古びていて、シートの座面は低く、エアコンは効かず、物悲しい音色の汽笛が響く

 三浦半島から富士山まで、抜群の眺望を誇る内房線が“海のハイライト”なら、“陸のハイライト”は、7本目に乗り継いだ「成田線各停我孫子行き」だ。

 ギラギラと輝く太陽に熱せられた、湿った土と草のむわっとした香りが車内を満たし、遠くには、黄金色に輝いているひまわりの畑。あおあおとした水田を眺めつつ目を休ませる。なぜなら、朝いちから片時も手放さなかったスマホの充電が、そろそろ尽きかけているからだ。

 「下総松崎(しもうさまんざき)」「安食(あじき)」「布佐(ふさ)」など、物語が潜んでいそうなユニークな駅名も旅情をそそる。“日本の原風景”と呼びたくなるような、どこかなつかしい光景が続き、半日をかけて遠くまで旅をしてきた実感が、ふつふつとわいてくる…。

「何を言ってるんですか。ここは上野か日暮里から常磐線に乗れば1時間ちょっと。通勤圏内ですよ」。ミスター・スジ鉄に、再び現実に引き戻される。

 そう、うっかり忘れかけてしまったが、ここは東京の「大都市近郊区間」なのだった。

■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。ブログはこちら

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