遺産の大部分を、実家の土地・家屋が占めるケースが多いのも一因だ。親族の誰かが亡親と同居していたり、店舗を構えていたりすれば、実家を売却して分ける手段はとりにくい。かといって、実家の評価額相当のお金を他の相続人に平等に渡せるだけの現金は、「ふつうのお宅」にはまずない。
「相続人の数が多い」「被相続人に前妻の子や認知した婚外子がいる」場合も、相続紛争になりやすい。兄弟姉妹は平等という権利意識が一般化するなか、日頃の付き合いが薄い親族が、他の相続人の事情を勘案せずに法定相続分を率直に主張することも多い。
「親が生きているうちは、円満に済みそうな相続、普通の相続、もめそうな相続がだいたい2:6:2ぐらいの印象です。ところが実際に相続手続きが始まると、円満と普通が2割ずつで、残りの6割はもめるというのが実感です」と、内田氏は言う。
こうしたトラブルを回避するためには、どんな準備をしておけばいいのか。武内氏も内田氏も、「まずは被相続人が、きちんとした遺言書を作成しておくこと」と口をそろえる。