そんな雑談など不要と思われるコミュニケーションがもたらす効果は、2010年のハーバードビジネススクールのTsedal B. Neely教授らの研究によって明らかになっている。それは、意図的に対面、メール、電話などの大量コミュニケーションをとる人は、そうでない人と比べると、よりスピーディーかつ円滑に仕事を進め、完了している傾向があるというのだ。そして教授は、大量のコミュニケーションは時間の無駄だと思っていた調査前と、考えを改めているという。むしろコミュニケーション量が、仕事のパフォーマンスに影響している事実があったのだ。積極的に誰とでも雑談をするように心がけるだけで、仕事の成果も変わってくると考えられる。
■集団の幸福度が生産性に直結する

2015年2月、日立ハイテクノロジーズは「ヒューマンビッグデータ」サービスにおいて測定する内容を追加したことを発表した。それは、集団の「幸福感(ハピネス)」を意味する「組織活性度」である。「高ハピネス」の場合、身体運動の持続時間に自然な“ゆらぎ”があるという。一方、「低ハピネス」だと“ゆらぎ”は不自然になるのだという。この基準で個人の活性度を定量化し、組織単位で集計することで組織活性度を算出するというものだ。