日立評論の2015年6月に出されたレポート「ウエラブル技術による幸福感の計測」によれば、「人の幸福感はパフォーマンスに大きく影響することが報告されている」そうで、「幸福な人は、そうでない人に比べて営業の生産性は37%、クリエイティビティは300%も高い」というデータがあるという。
そして、こうした幸福度の高い社員が多い組織ほど、利益が高いという報告もあるという。確かに幸せな人間ほどパフォーマンスがいいことは、なんとなく予測がつくが、その基準となるのが“ゆらぎ”だ。人とのコミュニケーション時はもちろん、歩行、うなずき、タイピングなどの微少な動きも関係するという。そして幸福感の高い人や集団のデータには、身体活動の静止と非静止の持続時間や割合が、自然なグラフとして表われるのだそうだ。
もはや仕事の業績だけでは測れない、「社内活性度」そのものがもたらす多大なビジネスへの効果をここから知ることができる。ぜひ社内での雑談を、個人的な欲求を満たすためだけでなく、生産性の向上や社内活性度への貢献の意味合いとしても積極的に取り入れていきたいものである。
取材・文/石原亜香利