【江藤詩文の世界鉄道旅】グレッシャー・エクスプレス〈氷河特急〉(3)世界三大酒呑みの団体様ご乗車で車内は“天国”に (2/2ページ)

2015.11.22 18:00

絶景を眺めながらの贅沢なランチタイム。この日は快晴で光がまぶしいほどだった

絶景を眺めながらの贅沢なランチタイム。この日は快晴で光がまぶしいほどだった【拡大】

  • 前菜はサマーシーズンのみサラダで、それ以外の季節はポテトのポタージュスープに代わる
  • メイン料理は豚肉のステーキ ペッパークリームソース。ロゴ入りの皿でサーブされるのがうれしい
  • デザートのりんごのケーキ。チーズ各種の盛り合わせプレートに代えることもできる
  • コーヒー、紅茶、ソフトドリンクのほか食後酒なども揃っている

 「ワインはグラスでオーダーしても、きちんと量ります。食べられなかった料理やワインは持ち帰りも可能。スイスの列車だから無駄がなく合理的ですよ」。

 ウェイトレスが遠慮がちに、この席はガイド用ではないことをやんわりと伝える。しかし彼女は悪びれることもなく「料理を食べるわけでもなく、空いているスペースなのだから、かまわないだろう」と座り続けた。合理的だ。

 メニューには冷菜やその日の料理、スープ、魚、ベジタリアン料理などアラカルトもあるが、団体客は3皿のセットメニューを注文する。手際よくスピーディに提供されて合理的なのだ。私も流されるようにして、セットメニュー43スイスフラン(約5420円)をお願いした。

 くだんの北京の女性ふたりは、日ごろからお酒を飲まないそうで、なんと「車内が騒々しい」と、前の車両にエスケープしてしまった。酒呑みの私にとっては、このくらいの喧噪はむしろ好ましい。

 「余したら持ち帰る」はずだった白ワインは、言うまでもなく、いつのまにか飲み干してしまっていた。

■取材協力:スイス政府観光局スイス インターナショナル エアラインズスイストラベルシステム

■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。ブログはこちら

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