【江藤詩文の世界鉄道旅】グレッシャー・エクスプレス〈氷河特急〉(4)鉄道好きにはたまらない、魅惑の“30分” (1/2ページ)

2015.11.29 18:00

メタリックなボディが印象的なレーティッシュ鉄道の機関車。ビジュアル面ではこちらが勝ち!

メタリックなボディが印象的なレーティッシュ鉄道の機関車。ビジュアル面ではこちらが勝ち!【拡大】

  • マッターホルン・ゴッタルド鉄道の機関車
  • アルプスの稜線を眺めるディセンティス駅は、こじんまりとかわいらしい駅だ
  • 二等車と一等車が「パノラマバー」を挟んで連結した編成は変わらない

 午前11時55分。およそ4時間にわたって定刻通りに運行を続けていた氷河特急900号は「ディセンティス駅」で停車した。これから30分ほど、この駅に停まるという。

 ここは氷河特急の乗降駅ではないし、とくに景勝地でもなく、駅付近に観光地やショップがあるわけでもないから、乗客の多くはほんのひとときプラットフォームへ降り立ち、のびをして深呼吸を1、2度すると、そそくさと座席へ戻ってしまった。

 なぜなら、揺れたり斜めにならずに、車内で落ち着いてワインや食事を楽しめるのは、停車しているこの時間を置いてほかにないのだ。標高1604mのツェルマットを出発してから、主な駅だけでも、670mのブリークまで1000m近くも下り、1440mのアンデルマットを経て、このルートでもっとも高い標高2033mのオーバーアルプ峠まで急勾配をぐんぐん上り、再び急降下して標高1130mのディセンティスに到着した。途中の急坂は重力を体感するほどで、車内が水平なのは、じつにツェルマット駅を出発して以来4時間ぶりなのだ。

乗客たちが車内でくつろぐ30分間、列車の外で入れ替わっていたものとは

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