【軽減税率】外食どう線引き イートイン、出前は? カナダはドーナツ5個までなら“外食” 英では「温かいもの」で区分け

2015.12.12 08:26

 消費税増税時に導入する軽減税率をめぐる自民、公明両党の協議は11日、加工食品と外食の線引きの難しさが議論となり、決着を12日以降に持ち越した。外食が対象外となれば、同じ食品でも買った店で食べるイートインと、持ち帰りとで税率が変わる。どこまでを外食と見なすかという基準は、諸外国でも判断が分かれており、消費者や飲食店に戸惑いが広がっている。(戸谷真美、玉崎栄次、中井なつみ、平沢裕子)

 「仲間と気軽に集まって食事ができる店は貴重。でも、高くなるのなら家で1人寂しく食べるかも…」。東京都豊島区の無職、橋本陽子さん(72)は単身の年金暮らし。イートインスペースのあるパン店で、友人とともにする朝食が楽しみだ。だが、平成29年4月以降、同じパンでも持ち帰る方が安くなれば、店に集まる仲間は減ってしまう可能性がある。

 飲食店も困惑する。埼玉県嵐山町ですし店を営む男性(66)は「出前にだけ軽減税率が適用されれば、店の経営を直撃する」と危惧する。その結果、店で食べる客が減れば、収益の柱である酒や天ぷらなどサイドメニューの売り上げ減は避けられない。「出前が増えても配達の人手がない。軽減税率に恩恵はない」

 外食産業などが加盟する日本フードサービス協会など7団体は11月、「対象品目の範囲を合理的に定めることは困難で、線引きにより混乱と新たな不公平が生じる」などとして、軽減税率導入そのものに反対する決議を採択。「低所得者対策は税額控除制度で対応すべきだ」と主張している。

 どこまでを外食と見なすかは、すでに軽減税率を導入済みの諸外国の例を見ても難しそうだ。英国では同じ持ち帰りの総菜でも、温かいものには標準税率の20%を適用。冷たいものは非課税だ。一方、カナダでは一度に5個までのドーナツを買う場合は「すぐにその場で食べるもの」と見なして標準税率、6個以上は軽減税率。フランスは同じ高級食材でも、フォアグラやトリュフは国内産業の保護を目的に軽減税率、キャビアは標準税率だ。

 第一生命経済研究所の永浜利広主席エコノミストは「外食を除外するならば、消費者に分かりやすい線引きが必要だ。その一方で、高齢者の営む個人商店などでは、経理事務の煩雑さやレジの改修などの負担から、軽減税率導入を機に廃業するケースも出るかもしれない」と指摘している。

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