おすすめを聞くというのは、イチ押しがあるならばそれを頼みたいという、お客からすれば非常にシンプルなリクエストをしているだけでしょう。しかし店にとっては、絞り込み条件や状況説明なしでおすすめを聞かれることは、行き先もわからないのに道を聞かれているようなもので、ちょっと戸惑ってしまうのです。裏を返せば、少しでも好みや希望を伝えることで、より満足できる提案やサービスを受けられる可能性が高まると言えます。
次にご紹介するのはちょっとしたテーブルマナーについてですが、銀座のとある和食店の店主はお客のこんなところを見ているようです。
「私は、箸置きにちゃんと箸を置かない人とか、おしぼりをぐちゃぐちゃに置く人に対しては、そこまで本気でもてなす必要はないと判断します。そういうことがルーズな人に対してきめ細かいおもてなしをしても、おそらく伝わりませんから。逆に、マナーや身だしなみがしっかりしている方に対しては、迎える側として背筋を伸ばしてしっかり応えたいと思っています」