選択肢の一つに
研究の進展により、においをクリアしても、放射線照射のための施設がほとんどない、という問題もある。
国内には北海道の士幌町農協にあるだけ。それもジャガイモの発芽防止目的のため線量が最大0・15キログレイで、レバー内部の殺菌には大幅に足りない。放射線照射のための施設は、放射線の漏洩(ろうえい)防止などに多額の費用がかかる。施設を急激に増やすのは簡単ではない。
照射後の食品を消費者が受け入れるかどうかも課題の一つだ。消費者グループ「食のコミュニケーション円卓会議」の市川まりこ代表は「放射線照射は食品の安全を守る技術として世界で認められているが、日本では知らない人も多い」と指摘。そのうえで「安全性を十分に確認してから使うのなら問題はない。牛のレバーの殺菌技術が確立されれば、消費者の選択肢の一つになるのでは」と話す。
牛や豚のレバーなど内臓の加工会社などが加盟する「日本畜産副産物協会」(東京都港区)は「今は殺菌のための技術が何もない状態。どんな方法でも殺菌法が開発されるのはありがたい」と期待を寄せる。