そんなサン・モリッツ駅から足を延ばすと、“撮り鉄”には有名な絶好の撮影ポイントがあるそうだ。そんなわけで電車に乗って約1時間、「フィリズール」という小さな駅で下車した。案内をしてくれるパトリシアは、スリムパンツにスニーカー、小さなリュックをしょい、駅前の水飲み場で水筒に水を補給している。ここから撮影スポットまで、整備された登山道をハイキングするのだ。私の印象では、スイス人はヒマさえあれば山歩きをしているが、彼女も時間があればサンドイッチを持って山へ行き、日がな鉄道を眺めているそうだ。
途中、左手に線路を眺め下しつつ、のんびり歩くこと30分。石造りの風情のある橋が見えてきた。氷河急行のポスターやパンフレットにも使われている名橋「ランドヴァッサー橋」だ。撮影にちょうどいい位置に木製の展望台がつくられていて、オランダから来たカップルが、氷河特急が通過するのを待っていた。こうして撮影したのがこちらの1枚。天気に恵まれたこともあり、なかなかよく撮れた。ような気がする。