--過去2年はベアを実現してきたが
「平成26年、27年と成果を挙げ、デフレの重く沈み込んだ状況から一定程度ははがすことができた。だが、ちょっとやそっとではデフレ脱却までは届かない。2年で賃上げが止まってしまったとなれば、デフレ脱却は夢のまた夢だ。中期的に賃金が上がるものなんだという確信を、世の中全体が持てるかどうかの瀬戸際が、今年の春闘だ。その意味でも持続性が問われることになる」
--経団連は年収ベースで前年超えを求めている
「賃上げは月例賃金を引き上げていくというのが常識だ。経団連の方針は、一時金を上げればいいという意味合いにとれる。一時金は収益の上がり下がりで変動する。(賃金上昇の)持続性を託せない」
--中小企業の賃上げ実現には
「サプライチェーン全体で生み出した付加価値を、適正に分配するという考えが必要だ。親会社の労組が、子会社や下請け会社の賃上げを意識し、要求していくことになる。短期に結果を出すことは容易ではない。難しい交渉になるだろう」