【28年春闘】労使のベアには大きな隔たり、工藤泰三経団連副会長と神津里季生連合会長に聞く (3/3ページ)

2016.2.1 21:51

経団連の工藤泰三副会長=東京都千代田区(伴龍二撮影)

経団連の工藤泰三副会長=東京都千代田区(伴龍二撮影)【拡大】

  • インタビューに答える連合の神津里季生会長

 --過去2年はベアを実現してきたが

 「平成26年、27年と成果を挙げ、デフレの重く沈み込んだ状況から一定程度ははがすことができた。だが、ちょっとやそっとではデフレ脱却までは届かない。2年で賃上げが止まってしまったとなれば、デフレ脱却は夢のまた夢だ。中期的に賃金が上がるものなんだという確信を、世の中全体が持てるかどうかの瀬戸際が、今年の春闘だ。その意味でも持続性が問われることになる」

 --経団連は年収ベースで前年超えを求めている

 「賃上げは月例賃金を引き上げていくというのが常識だ。経団連の方針は、一時金を上げればいいという意味合いにとれる。一時金は収益の上がり下がりで変動する。(賃金上昇の)持続性を託せない」

 --中小企業の賃上げ実現には

 「サプライチェーン全体で生み出した付加価値を、適正に分配するという考えが必要だ。親会社の労組が、子会社や下請け会社の賃上げを意識し、要求していくことになる。短期に結果を出すことは容易ではない。難しい交渉になるだろう」

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