榊原定征経団連会長と神津里季生連合会長の会談では、脱デフレのために賃上げは必要と意見が一致した。神津連合会長は「月例賃金の引き上げ」を求め、榊原会長は「年収ベースでの引き上げ」を主張しているが、この違いは問題にならない。
連合は今年の要求基準を昨年の「ベア2%以上」から「2%程度」に抑えている。連合で賃金交渉を主導する金属労協は「賃金改善要求を月額3000円以上」と、昨年の「月額6000円以上」から半分に引き下げた。自動車、電機などの産業別組織も右にならえと控えめだ。
経団連は「昨年を上回る年収べースの引き上げ」を企業に促しており、労組側より賃上げに前のめりに見える。だがこれは政権に言わされている感じがする。本音はどうなのか。交渉の指針である「経営労働政策特別委員会報告」は「自社の実情にも適(かな)った年収ベースの賃金引上げの方法」を勧めている。増やすにしても減らしやすいボーナスや手当でというわけだ。