【田原】もう少し詳しく説明してもらえますか。
【鈴木】ユーザーがどの記事を何秒間読んだのかというデータは様々な視点で分析されます。たとえばよくタップされるものの、離脱時期が早い記事は、タイトルは扇情的だけど中身がない“釣り記事”で、読む価値が低いかもしれない。そういうことを誰か特定の人ではなく数百万人の集合知で判定して、1日1000万件の記事の中から1000本くらいに記事を絞っていくわけです。
【田原】なるほど。最近、キュレーションという言葉をよく聞くけど、スマートニュースはユーザーがキュレーションしているわけだ。
【鈴木】そうですね。ただ、個人的にはキュレーションと言われることに対して若干の違和感はあります。そもそもキュレーションは美術館で展覧会を企画するキュレーターからきている言葉で、キュレーションすることは、キュレーターの思想の表現と言っていい。でも、集合知で選ぶスマートニュースが思想の表現かというと、ちょっとピンとこない。僕自身はキュレーションという言葉は使わず、ニュースアプリと言っています。よくスマートニュースもキュレーションサービスと言われますが、それはもうしょうがないという感じで見ています。