平成28年春闘では、堅調な業績や人手不足などを背景に、空輸や建設、外食、小売りなど非製造業にもベアの動きが広がった。ただ、賃金の高騰を懸念し、賃上げ姿勢に濃淡もみられた。
航空大手は、原油安に伴う燃料コスト低下や訪日旅行者などの乗客増加を背景に2年連続でベアを実施。ただ上げ幅は、全日本空輸が月額1500円、日本航空も1千円と、3千円で並んだ前年実績の半分以下にとどまった。全日空は一時金の年度内支給分を0・5カ月増やすなど年収ベースで社員に報いる。
好業績の中でも、建設大手は対応が分かれた。大林組は9200円のベアを実施。リニア中央新幹線や東京五輪・パラリンピック関連など建設需要が高まる中、3年連続の賃上げで社内の士気を高める。一方で昨年、17年ぶりのベアを行った大成建設は今回見送った。
小売業では家具大手ニトリホールディングスは好業績を踏まえ、総合職社員に3538円のベア実施を決めた。ベアの実施は13年連続。昨年ベアを見送ったコンビニ大手のファミリーマートは、3000円のベア実施を決めた。
外食では人手不足を背景に、牛丼チェーン「すき家」のゼンショーホールディングスが1500円を実施するほか、「餃子の王将」を展開する王将フードサービスは全社員の基本給を6月から月額2182円のベア実施を決めた。
一方、東京電力は、一般社員の年収を福島第1原発事故前と比較して5%減の水準まで戻すことで労働組合と妥結した。コスト削減などで業績が改善されたことを受け、要求通り年収の削減幅を現在の10%減から縮小する。また、福島第1原発事故の補償業務などに携わる非正規の臨時雇用者約150人についても、労組への加入を認めた。