【28年春闘】中国減速で経営側危機感「1500円は大盤振る舞いだ」 電機決着の舞台裏とは… (1/2ページ)

2016.3.12 19:57

産別労使交渉終了後、記者会見に応じた、有野正治・電機連合委員長=12日午後、東京都港区(荻窪佳撮影)

産別労使交渉終了後、記者会見に応じた、有野正治・電機連合委員長=12日午後、東京都港区(荻窪佳撮影)【拡大】

 平成28年春闘で、日立製作所やパナソニックなど電機大手の労使交渉は12日、賃金水準を一律に引き上げるベースアップ(ベア)について、月額1500円で事実上、決着した。16日に各社の経営側が一時金(ボーナス)などとともに一斉に正式回答する。ベア実施は3年連続だが、中国の景気減速や金融市場の混乱で経営側が業績の先行きに自信を持てず、ベアの水準は前年実績から半減する。

 12日の最終交渉には、各社の労働組合でつくる電機連合幹部と、大手5社の担当役員が参加。電機連合の有野正治中央執行委員長が経営側に、ストライキを回避するための最低回答額として1500円を提示したもようだ。電機連合は週明け14日の会議でこれを正式決定し、経営側も受け入れることにしている。

 6年ぶりにベアを実施した26年春闘からの3年間で最低の水準となる。背景には、経営側の強い危機感があった。

 電機の労使交渉は、電機連合が掲げた基準に基づいて各社の労働側が同じ水準のベア要求を行い、経営側も横並びの回答をする統一交渉が慣例だ。しかし、交渉を主導する6社のうち、会計不祥事で経営不振に陥った東芝は、統一交渉から初めての離脱を余儀なくされた。

 交渉は、要求額3千円の半額に当たる1500円を軸に激しく展開された。電機連合は、2千円への上積みを模索していたようだ。

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