午前11時半、式典が始まると、卒業生や保護者らが一斉に起立。司会者の「国歌斉唱」という合図に続き、吹奏楽部による荘厳な伴奏が響く中、卒業生らは壇上の国旗を見すえ、堂々と国歌を斉唱した。
卒業後は大阪府内の小学校の教員になる男子学生(23)は式典後、「これまで小学校の卒業式でも歌ってきたので、卒業式で国歌を歌うことは何も違和感はなかった。歌って当然だと思う」と話した。
また大阪教育大は、平成26年に就任した栗林澄夫学長の方針で、昨年3月の卒業式で国歌斉唱を実施。奈良先端科学技術大学院大も開学以来、実施している。
教員反発「権威に盲従しない。要請は的外れ」
とはいえ、国歌斉唱を実施する国立大は少数派だ。近畿では文科相の要請後も京都大、大阪大、神戸大、滋賀医大、京都教育大などは実施していない。阪大は「ずっと実施しておらず、なぜしないのかという検討はしていない」と説明する。