区はNPO法人に委託し、1人暮らしの高齢受給者の交流の場を設ける試みを始めた。25年に開所した「ひと花センター」だ。60~90代の約130人が登録し、料理教室や清掃活動への参加を通じ、社会と関わるきっかけを作っている。
藤原さんもセンターに通って俳句を習い始め、仲間もできた。感じ始めた生きがいを詠んだ。《ひと花に通う楽しさ感じ取り》
高齢受給者が増え続ければ、生活保護制度は財政を脅かし、社会保障全体に影響しかねない。元気な高齢者に労働参加を促し、自立を進めるしかない。だが、自治体の就労支援は、履歴書の書き方や面接練習など初歩的な内容にとどまり、65歳以上は「高齢」を理由に「原則」対象外としているのが実情だ。
「企業側も受け皿としての自覚を持たなければ」。IT関連企業「アイエスエフネット」(東京都港区)の坂井隆之上級執行役員は話す。
同社は障害者ら自立に課題を抱えた人を積極採用し、25年度からは川崎市と連携して受給者の就業支援を始め、これまでに150人以上を雇い入れた。沖山仁宏さん(62)は昨年9月、同社のグループ会社に正社員として採用された。