「街の本屋」復権へ 本の目利き“カリスマ書店員”の挑戦 (2/4ページ)

2016.5.3 17:08

リブロを退職し、「Title」を開業した辻山良雄さん=東京都杉並区

リブロを退職し、「Title」を開業した辻山良雄さん=東京都杉並区【拡大】

 身の丈に合わせ

 1階が書店とカフェ、2階がイベントスペースで客層は20~40代が中心。一般的な書店は、出版社と書店を仲介する「出版取次」と呼ばれる業者が決めた本を委託販売することが多いが、辻山さんは全冊を自ら注文する。「街の本屋として求められる本が6割、自分の置きたい本が4割」になるよう選書をして、デザインや海外文学、人文・思想系などこだわりの本を並べる。辻山さんの選書を信頼し「お薦めの本を選んでほしい」という人など、北海道や九州からも本好きが集う。

 カフェと合わせ、月々の売り上げは約250万円。事前の見込み通りで、「書店は利益率が低く、個人では難しいという“神話”があったが、身の丈に合わせれば経営は成り立つ。客とゆっくり本について話す機会が増え充実している」。

 フリーランスで

 関東、東北で13店舗を展開する書店「あゆみBOOKS」の元店長、久礼亮太さん(40)はフリーランスの書店員として独立を果たした。昨年1月に退社し、書店の新規開業支援と選書などを仕事にする。昨年9月には、東京・神楽坂に開店した「本のにほひのしない本屋 神楽坂モノガタリ」に並べる約3千冊を約1カ月半かけて選んだ。久礼さんは「本棚から一冊を抜き出す、ぞくぞくする瞬間を大事にしたい。ロングセラーを置き続ける正統派の本屋を目指す」と話し、いずれは自身の書店を開業する計画だ。

出版取次を経由せず出版社と直接取引を始める動きも

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