出版社と直取引
利益率を上げて書店経営を安定させるため、出版取次を経由せず出版社と直接取引を始める動きもある。京都市上京区に昨年11月に開業した書店「誠光社」。オーナーは、英紙の「世界で最もすばらしい本屋10選」に入ったことでも知られるセレクト系書店の先駆け「恵文社一乗寺店」(京都市左京区)の元店長、堀部篤史さん(38)。
誠光社では、約50社の出版社から直接本を買い取ることで利益率を従来の約2割(返本可の委託販売)から約3割に引き上げた。堀部さんにとって書店は「世の中を反映し社会を俯瞰(ふかん)するメディア(媒体)のひとつ」。そのために、必要な本を一冊一冊選び抜く。「かつてはベストセラー本がよく売れたが、趣味や嗜好(しこう)が細分化した現在、1万部、5千部といった少部数の本を主体性を持って必要とする人に届けるのが書店の役割」と語る。
従来型の書店は、回転率の早い漫画や雑誌、一部のベストセラーが販売の柱となり、出版取次業者が決めた配本に頼って経営できた。しかし、平成8年以降は出版市場は縮小。街の小規模書店は閉店し、中堅取次業者の破綻も相次ぐ。