出版流通に詳しい専修大の植村八潮教授(出版学)は「出版不況により薄利多売型の経営が難しくなるなか、本を通したコミュニケーションという書店本来のあり方が見直されている。元書店員らの開業は、本そのものが主役という書店文化を取り戻す動きであり、街の本屋に新たな可能性を示すものとして注目される」と話している。
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■10年で4140店減少
主要な出版関連団体でつくる「日本出版インフラセンター」の調査によると、同センターに登録している全国の書店数は1万4468店(3月現在)。10年前の1万8608店から4140店減った。また、出版社「アルメディア」の調べによると、書店数は平成9年の2万2279店をピークに右肩下がりを続け、26年の調査では新刊書店が1店もない自治体が332市町村に上った。